【 知識の補完と事前の準備 】

　離婚に際し、一方的に不利な条件を押し付けられることのないよう、できるかぎり正確な知識を得ておくことも大切です。相談にお越しになれば、相談者の現在の状況を基に、離婚事由の存否、別居から離婚までの当面の生活費分担額の試算、親権者と指定される上での積極・消極的要素、養育費の回収方法、財産分与で考慮できる財産の洗い出しと評価、住宅ローンなど負債の処理方針、年金分割の具体的な中身と方法などのアドバイスもできます。事情を共有しておくことで、その後も継続的にアドバイスをすることも可能です。

【 適切な解決手法による清算と再出発 】

　離婚事件は、感情の対立が激しくなりやすい分野ですが、冷静さを失わないことも大切です。
　自宅をペアローンで購入したり、連帯保証としているケースも多く、このような場合、借り換えの手続をとるにしても、相手の名義のまま住み続けるにしても、売却にしても、多くは相手方の協力が必要となります。携帯電話なども、相手の契約名義であったり、同一口座の引落しにしている場合、端末分割払い中など、相手の協力が無いと変更できないケースもあります。勘違いされやすいのですが、こういった部分については、裁判所は手当できません。争いだけを激化させると、相手の協力が得られず、再出発のための選択肢が狭まることもあります。離婚交渉では、こういったことにも注意する必要があります。
　相談の際には、ネックとなるポイントとその対策もきちんと説明するようにしています。離婚という人生のターニングポイントに、要所を見極める専門家として力添えが出来れば幸いに存じます。